進化するDIMENSION

DIMENSION週間のしめくくりは
Newアルバム「Loneliness」のアルバムレビューです。
初日の感想やライブレポと内容がかぶってしまう部分もありますがご了承を・・・。


カバー曲7曲、オリジナルの新曲4曲というこのアルバムを
一言で表すとしたら「進化するDIMENSION」!!
3人にとって思い入れのある曲を単にカバーしただけのアルバムだと
あなどってはいけません!!
収録曲はジャンルも曲調もバラバラなのに、DIMENSIONらしさがはっきりと出ている上に、
1枚のアルバムとしての統一感がとれているのです。
その秘密はおそらくビート。一部人力の曲もあるけれど基本的には打ち込みベースで
Club Jazzテイストなビートの上に3人が人力でからんでいます。
そんな全体的な雰囲気にDIMENSIONの今の気分を感じますね。
音楽をジャンル分けすることは果たしてどれだけ意味があることなのかはわかりませんが、
FusionとかRockとかJazzとかClubとかいろいろジャンルはあるけれど、
○○っぽいって言うことは出来ても、
DIMENSIONの音楽は“DIMENSION”っていうジャンルでしかくくれない次元に来ているのかな、って思いました。
クールで大人っぽい印象なので、シチュエーション的には月明かりのきれいな深夜1時頃に聴きたいアルバムですね。

ディメの他のアルバムと比較した上でのこのアルバムの位置づけというのはしにくいんですが、
単純に1枚のアルバムとしての出来を考えると、とても完成度は高いです。
私はディメの曲はほとんど全部知っているし、彼らがやりたいこと・目指す方向性もわかっているつもりなので、
このアルバムはとてもいい作品だと思うし、今のディメの気分をうまく形あるものとして出すことが出来たと思いますが、
Fusionに対してある程度なじんでしまっている人、
具体的に言うと、ディメはあまり聴かないけれど他のFusionのアーティストのファンだという人は、
このアルバムを聴くと「えっ!?」って感じでなじめない危険性があるんじゃないか、っていう気がします。
逆にFusionに対して先入観がない人、特にClub Jazzが好きな人、
そしてジャンルに関係なく音楽を愛し“いい音楽”を聴きたいと思っている人にこそ聴いて欲しいアルバムだし、
そういう人には気に入ってもらえると思います。
以前全アルバム一言レビューの際に、4thからDIMENSIONに入っていくコースを紹介しましたが、
このアルバムを聴いてディメを気に入って他のアルバムも聴いてみたいと思った人は
次は4thへ行くのではなく、14th以降の作品を聴くといいと思います。


あと、このアルバムで特筆すべき点は、カツヲのサックスです!!
最近ライブのMCでよくますやんがカツヲのことを「最近カツヲのサックスはものすごくよくなっている。
DIMENSIONだとすぐわかる個性を出せるようになっている。」といった内容のことを言ってほめていますが、
そのことが見事にこのアルバムでは実証されています。
「Ironside」や「Wonderful Tonight」のようなガッツリしたアレンジの曲では
ビービーギャーギャーやってくれるかと思えば、
「Respectacles」や「Vanity Story」では抜けたプレーで気だるさを醸し出しているし、
「Dancer In The Light」やメドレーではどこまでも突き抜けた感じで歌ってくれるし、
「Walking On The Moon」では裏方としてますやんを映えさせているし、
そしてなんといっても「Arthur's Theme (Best That You Can Do)」と「So Far Away」では
情感たっぷりに歌いあげています。
カツヲってDIMENSIONではボーカル的扱いのポジションにいるけれど、
このアルバムを聴いて、ものすごく役者的な人なんじゃないか?と思いました。
役者的っていうのはどういうことを言いたいのかというと、世界観をイメージすることに長けていて、
そのイメージを適切に表現する表現力を持ちあわせていて、
見事に曲によって、また曲の中でも演じ分けている―そういうサックスプレーヤーなんじゃないか、と思ったわけです。
その役者的っていうのは演奏に限らず、ジャケ写においても(笑)。
あんなに「俺だよ、俺っ!!」ってキメられるのは、やっぱ役者でしょ!?
「痛快!!Se.le.ne通り」ドラマ化の際には先生役を熱演しちゃって下さい、私は生徒役をやらないんで(爆)!!
(↑MCネタ。'04,10,10 DIMENSION BAJ 15th Aniv. Liveより)


毎度のことながら今回も既にかなり長いですが、一曲ずつさらに詳しく!!

Ironside/Quincy Jones
私もますやん・カツヲと一緒で、この曲は出だしの♪チャッチャラッチャラッラ~って部分しか知りませんでした。
最近では映画「KILL BILL」でもこの曲が使われているらしいんだけど、
私は映画には疎いので見ていないし・・・。じゃあなんで知っているんだろう・・・?
世代的に「ウイークエンダー」なんて知っているワケないし・・・。
「007のテーマ」と勘違いしているだけなのかなぁ・・・?
まあそんな謎はさておき、かなりガッツリしたどヘビー級のロックな仕上がりになっております。
出だしのサックスのハーモニーによる♪チャッチャラッチャラッラ~からしてインパクト大です!!
音の厚みがスゴイです!!
途中のますやんのギターとカツヲのサックスのスリリングなかけあいがカッコイイです!!

Walking On The Moon/POLICE
ますやんフィーチャーの曲。選曲ももちろんますやん。
原曲を知らないのが痛いトコロなのですが、
メロディーを奏でるますやんのアコギとそれを幻想的に彩るカツヲのソプラノサックスが
独特の浮遊感漂う雰囲気を醸し出しています。

Respectacles/DIMENSION
打ち込みを主体としたクラブテイストの実験音楽的側面が強い曲。
カツヲ自身は「JAFROSAXをやった事も大きく影響しているかも。」って語っていますが、
確かにクラブテイストという点ではJAFROの影響もあるだろうけれど、
テナーをメインで使っているJAFROと異なりこの曲ではアルトを吹いており、
オトコの色気を感じさせるJAFROと比べこの曲では抜いた感じのプレーで気だるさを漂わせているので、
JAFROとはまた一味違った魅力が感じられます。あとはおのきんの影響が出ているのかも?
“respect”の造語であるタイトルからわかるように、
先達に対する敬意をDIMENSIONの3人なりに形を変えて表したって感じの曲ですね。

Dancer In The Light/DIMENSION
「Nudistic」(14th収録)の弟って感じの曲。
4つ打ちビートの上をカツヲのサックスが突き抜け、
それをますやんのギターが追いかける感じがすごくツボです!!
カツヲが「一筋縄ではいかない、妖しく踊る感じを出したかった。」とコメントを出しているように、
ただ明るいだけではなく、明るい中にも泣きのフレーズが入っている当たりがたまりません!!
このアルバムの中でも一番わかりやすい形で最近のDIMENSIONらしさが出ている曲なんじゃないかな?
今後のライブでも「Nudistic」や「Rise」(15th収録)、「Jungle Dancer」(4th収録)とともに
Dance系メドレーとして人気曲になる予感♪

Good-bye My Loneliness/ZARD
タイトルチューンにもなっているこの曲は、3人ともサポートとして参加したことがあるZARDのデビュー曲。
原曲のレコーディングにもカツヲは参加しているそうです。
カツヲのソプラノサックスが甘くて切ないバラードになっています。
ストーブを焚いた部屋でホットチョコレートを飲みながら聴きたい感じです。

Southside On Oneseventeen/DIMENSION
古きよき時代のアメリカ西海岸を彷彿とさせる曲。
速弾きじゃないゆったりとしたますやんの魅力を堪能出来ます。
おのきんの「仮のつもりで弾いたのに入ってしまった」というベースが
単調なんだけどイイ味を出しています。
ブラスも入ってbrightな感じ。晴れた日のドライブのお伴にピッタリな曲♪

Wonderful Tonight/Eric Clapton
原曲は甘美なバラードらしいんですが(ゴメンナサイ、私知りません・・・)、
ガッツリヘビーなアメリカンロックになっています。
石川雅春さんのロックなドラムスがカッコイイ☆

Arthur's Theme(Best That You Can Do)“New York City Serenade”/Christopher Cross
誰もが知る超名曲!!この曲はいろんなアーティストがカバーしていますが、
DIMENSION版では“勝田一樹”というボーカリストの持ち味をフルに生かした
甘くて情感たっぷりな仕上がりになっています。
隅々までカツヲの魅力に酔ってしまえる一曲。
冬にピッタリ!!上質なカシミヤのマフラーのような贅沢さですネ。

Vanity Story/DIMENSION
うねるような独特のベースラインの上を引いた感じのソプラノサックスで都会的なメロディーを奏でています。
クールでダークなジャズファンク。
おのきん渾身のシンセベースによるベースラインが聴きどころです!!
繰り返し聴くうちに魅了されていく曲。

⑩[Historic Medley]
 Purple Haze/Jimi Hendrix ~Chameleon/Herbie Hancock ~Electric City/Chic Corea

このアルバムのハイライト的なメドレー。
'60年代・'70年代・'80年代を代表する名曲で、3人にも大きな影響を与えた3曲を
1つのループでつないでいます。
お気に入り度高し!!
ディメってライブでも曲の一部だけでつなげるようなメドレーはやらずにフルサイズでやるグループだから
曲目だけ先に知った時は「ディメがメドレーって珍しい・・・。どうなるんだろう・・・?」って思ったけれど、
メドレーというより一つの曲って感じで仕上がっています。すんげぇです!!

ジャングルを彷彿とさせるパーカッションのリズム(打ち込み)から
一気におなじみの♪ジャンジャンジャンジャン・・・というイントロをますやんが奏で、「Purple Haze」に突入!!
原曲のハードなイメージを崩さず、ゆがんだ音色で男くさくあのメロディーをますやんが聴かせてくれます!!
でも原曲のイメージを残しつつも見事に“踊れるジミヘン”に変身!!さすがDIMENSION☆
カツヲのパートもオトコの色気って感じです!!
アルバムではエレキもアコギもますやん1人で多重録音しているので
ライブではどう再現されるのか気になっていたのですが、
全てエレキで、バリバリロックというかむしろヘビメタくらいの勢いで弾いていました。
そして時代が変わることを告げる♪チャッチャー チャッチャー チャララララララー というフレーズが登場し、
タイムマシーンに乗ったかのごとくワープするような音が流れ、時代は一気に'70年代へ。
「Chameleon」に突入です。
ハービー・ハンコックの原曲を知らないので何とも言えないんですが、
ここはまさにトーマス・おのキンコック(!?)の独壇場!!
エレピでバシバシ聴かせてくれまっせ!!
そして再びタイムマシーンに乗り、あのフレーズが流れ'80年代へ。
タンバリン系のシャキシャキとした音が入り、ビートが一気に明るく解放的になります。
ますやんのやんちゃなギターフレーズから「Electric City」に突入!!
原曲と比べて早めのテンポで、カツヲとますやんがユニゾりながら突き抜けます!!
この感じ、すごく好き!!カツヲのサックスとますやんのエレキって最高の音色の組み合わせだよなぁ~。
そしてますやんソロ!!
いつも思うんだけど、ますやんのソロはテクニックがすごいだけでなく
音の連なり方がとてもきれいで好きです♪
さらにエンディングまで長めのカツヲソロ。
歌心たっぷりのソロで、特に入りの2小節なんて「パクらせてもらってもいいですか?」並に好きです(笑)。
(↑でも出だしからいきなりフラジオだから私には無理だ・・・;沈)
で、バシっとエンディングでしめてくれます。
いやぁ、ホントよく出来てるわ、この踊れるメドレー!!ぶったまげもんです!!

So Far Away/Caerol King
この曲も永遠のSweet Pops!!
リアルタイムではディメ世代よりももう1つ上の世代までいかないと知らないらしいんですけど、
まあ曲自体は知ってますよね?
出来うる限り音数を省いたごくシンプルなアレンジになっており、
カツヲが奏でるメロディーを堪能できます。
もうこの曲でのカツヲのプレーは白眉!!
1フレーズの中でもビブラートなど緩急が繊細についており、素晴らしいです。
これはサンボーン様を超えましたぞ!!
このアルバムの締めくくりにふさわしい曲に仕上がっています。
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by fusionism-wakame | 2004-12-07 03:20 | fusion
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